2012年12月10日月曜日

コントラバスの弓

キリギリス派

「講師の先生が、お父さんに弦バスの弓を買ってもらえ だって」
娘が言う。
俺は弦楽器の弓が安くはないことを知っている。
ヴァイオリンの弓でギターを引くジミー・ペイジに憧れたギター小僧なら誰でもそれを知っている。

「なんだとぉ~! 今度は弓を買えってか!」
「うん、10万円くらいのやつが良いんだって。5万円くらいじゃダメなんだって」
「なぁ~~~にぉぉぉおおおおお~~~~~!
 10万の弓を買ってくれなんて、そんなに簡単に言うな~!」


で、買いに行った訳さ。 先週の日曜日の夜に。

吹奏楽部の講師の先生2人の案内と付き添いで都内某所のコントラバス専門店へ。

女性コントラバス奏者の講師の先生の紹介の店で、N響の人も行きつけのお店。
ヨーロッパの楽団が日本に来た時にはそこのコンバス奏者も顔を出すというお店だそうだ。
販売の他、修理もメンテナンスもやっている。

「店というより倉庫のようなところですから。高級なお店とか想像しないでください」

そんなん聞かされたら期待しちゃうっつーの。

そしてお店到着。
う~っわ!倉庫だ! なんて素敵なんだ!
写真を撮りたかったが、それはちょっと憚られる雰囲気。

左手には古楽器と思しきコントラバスが何台も修理待ちで行列を作っている。
その奥には、ネックを外されたコンバスのボディーがいくつも並んでたり。
さらにその奥には魔物が棲んでそうな・・・

先客が何人か居て、やっと置けましたみたいな低いテーブルを囲んで座って話をしてたり、正面では女性がコンバスの試奏かチェックをしている。

右手と奥がスタッフエリア。

ヤニ臭い。

飲食店でヤニ臭いのは気分が悪いが、こういうところでヤニ臭いのは、逆になんだか味わい深さを感じてしまう。不思議だ。

女性コンバス奏者の講師の先生が挨拶を交わした相手が店の主だった。
「あ~、どうもどうも! 弓ね、用意しておいたよ!」

そして先生が我が娘を主に紹介。
主が娘に語り出す。
「あのね、吹奏楽部だと顧問の先生はコンバス音出せ音出せって、弓をギリギリに締めさせるでしょ。先生の言うことなんか絶対聞いちゃだめ!ほんとだよ」

締め過ぎて弓を折って持ち込んでくる中学生高校生が少なからず居るらしい。
弓は補強して完全に直るが、折った子は心まで折れちゃって、しっかり弾けなくなることがあるんだそうだ。

その主は、
クラシック系の楽器は値段なんかいい加減で、さらに通常の店に置かれているものなどは語る価値もないほどのものだという趣旨のことを荒っぽく(下品に)語っていた。

その店では自信のある物だけを市場価格の半額以下で出してるということだった。

なんやかんやの後で俺も紹介された。
「あ゛~!お金払ってくれるのはお父さんだからねぇ」 と名刺を渡された。

さて弓だ。
その主が見繕ってくれたのはドイツ製のノーブランド品。
「これね、ここにブランドのスタンプ入るだけで、その辺の店では20万円 30万円で売れちゃうの」
へぇ~~~。
主の見立てではモノはちゃんとしたものらしい。

しかし、ちと待てよ。 半額として考えても、30万なら15万じゃないか。
10万って話じゃなかったっけ?・・・・・・・ えぇ?・・・・・・・・

娘が弓を持ってみた。
「あ~、軽い」

反りも良い感じだそうだ。
学校の弓は反りがなく、弾きにくいとかで。

「ちょっと俺にも持たせてくれ」
で、持ってみた。


ふ~む・・・・ 思ってたより軽い。 高いモノだから軽いのか?

で、安くしてくれるとは言え気になるお値段。

「これね、本当に良いモノだよ。
 で、値段は、そしたら、5万円で。 ケースが9,800円で消費税が付いて6万2,790円」

その後なんやかんやで、いや別に値切った訳じゃないんだけども、「じゃあ6万円で良いです」

そのケースも他の店では1万円以上で売られているものだった。

さらに、保証は1年とか2年とかじゃなく、その店が続く限り。
調整はいつでもいつまでも。
もちろん、メンテや修理の場合、実費は掛かる。


で、めでたく購入。

ツテも何もなく、ネットで調べただけじゃ絶対に行き着けない店だし、講師の先生の事前の相談がなければ出来ない買い物だった。

人の縁ってのは大切だよね。
そのお店もそうやって信用を広げて行ったんだろうな。

良い買い物ができて何よりだ。
店の前で講師の先生二人に礼を言い、そこで別れて帰宅した。


その弓とケースがこれ。




本来の持ち方はこうだって。ちなみにジャーマン式。


持ち手の下側に貝が入ってたりする。



娘が部活で使ってみたところ、他の部員から「あれ?いつもより音良いんじゃない?」と言われたそうだ。
へぇ~。凄いねぇ。

持ちやすいし弾きやすい。おぉ、素晴らしい。
で、難しくてなかなか弾けないフレーズも上手くサラっと弾けちゃうのかと思いきや、やっぱりそれは難しいらしい。
「やっぱ一番大事なのは腕だわ」

そりゃそうだ。偉い。それが解れば大したもんだ。
良い楽器が使えても、腕が伴わないとダメなんだな。

良い楽器も、そのものの良さだけじゃなく、弾き手のテンションやモチベーションを上げる効果もある。
だからデタラメに高級・高額な楽器だって、そこにはそれなりの価値はある訳だ。



弓を買いに行く前、娘に話をした。

他の家はな、将来に備えて貯蓄をするんだよ。
でもウチはな、あれば楽しみのために遣っちゃう。
そう、ウチはキリギリス派なんだよ。
だから弓も買えるけど、冬が来て食べるものがなくなったら餓死するんだよ・・・
それでも楽しめればイイじゃないか。 へっへっへっへっへ


娘は微妙~~~な表情で聞いていた。

7 件のコメント:

  1. 近所のおばちゃん2012年12月10日 19:11

    す~~~~~~て~~~~~~き~~~~~♪

    弦もケースもかっちょいいね~~♪♪♪ 

    あっ毎度!近所のおばちゃんです!
    いつもお世話になっちょります。

    倉庫みたいな店舗・・・これまたかっちょいいっす!
    そういう場所!わたくしも大好きです!
    いいお買い物ができましたね♪

    娘ちゃんも更にモチベーションが上がって良い演奏ができるんでないでしょうか!
    頑張って欲しいです!!!

    そしてキリギリス派!!!
    ぎゃははは!

    娘ちゃんの反応は正しいと思います!・・・・が、うちも他人のこといえないのでノーコメントで・・・笑

    返信削除
  2. 近所のおばちゃんさ~ん! コメントどーもありがとー!
    こちらこそお世話になっとります。

    > す~~~~~~て~~~~~~き~~~~~♪

    へへ。どもども。あざーっす!
    かっちょいいでしょ? 参っちゃうね、まったく。


    そう、店舗、やられちゃいましたわ~。
    ほんと良い買い物できて何よりでした。
    娘も打ち込めて、バンド全体のためにもなるなら、、、ねぇ。

    ミミちゃん(仮名)もこの前のウィンターコンサート、頑張ってたよねー。カッコ良かったよ~。

    キリギリス派、ウケた?ハハハ。
    娘ね、いつものようにツッコミもせずに、黙~ってたからね。ブハハハ。

    返信削除
  3. 近所のおばちゃん2012年12月12日 11:59

    ウィンターコンサートね~~~

    ドラム、もちろんまだまだだとはわかっちゃいるけど、シングシングシングでやらせてもらったってのが私としてはなんとも言えない感動を覚えたって言うか・・・

    大好きなんです♪シングシングシング♪♪♪

    事前に教えてもらってなくて、帰ってきてから聞いたら「ママが好きなこと知ってたから驚かせようと思って黙ってたの!」とな・・・笑
      

    こんにゃろめ♪



    でも、それならもっと練習せい!!!

    返信削除
  4. 近所のおばちゃんさ~ん!
    マジっすか? ママが好きなのを知っててドッキリ仕掛けたと?

    う・・・ヤベ・・・泣きそうっす・・・

    近頃、実に中学生らしく健やかに生意気で・・・なんて噂を耳にしていただけに、そのエピソードは心に染み入りました。

    返信削除
  5. コントラバスはじめました2014年1月5日 2:05

    初めまして。コントラバスの弓を購入したいと思っているのですが、お店選びでつまずいています。
    調べるほど、良くない噂ばかり見つけてしまいます。
    そこでこの記事を見て、良いお店があったんだ!と、ぜひ教えていただけたら・・・と、思いコメントさせていただきました。
    どうか教えていただけないでしょうか・・・。

    返信削除
  6. コントラバスはじめましたさん、こんにちは。

    もちろん教えて差し上げますとも。
    こちらです。
    http://www.contrabass.co.jp

    道路からお店までスロープを上って行く感じで、さらに楽器店っぽくないので、ちょっと判りにくいかもしれません。ってことを知っていればすぐ判ると思います。

    納得の行く良い弓が見つかると良いですね。

    返信削除
  7. コントラバスはじめました2014年1月5日 11:39

    ありがとうございます!
    自分に合った弓が見つかるかどうか、今からわくわくしています。
    本当にありがとうございます^^

    返信削除

コメント記入後、コメントの記入者:欄で ◯ 名前/URL を選びます。
名前を入力してください。 URL: 欄は空白でもOKです。
[ 次へ ] をクリックしてから [ 公開 ] でコメント投稿できます。